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横浜体操アカデミー

設立趣旨

地域のボランティア指導者の殆どの方が、自助努力で情報を収集したり、研修会などに参加したり、自己研鑽に励んでいます。しかし、個人でやる場合限界があります。地域スポーツを振興するには、指導者を大切にし、いつまでも健やかに生き甲斐をもって現場にいていただきたい。そのためには、指導者が集まれて相互に勉強できる場が必要となります。行政機関は行政機関の立場で、指導者団体は指導者団体の立場で、それぞれの指導者を支援していると思います。ただ、これらの支援がまとまりを以って行なわれたならば、その成果は大きいものとなるでしょう。この意味から巨視的立場で汎組織のもとで支援体制を確立して、良質な情報を提供し指導者の孤立化を防ぐために、体操アカデミーが設立されました。

目的:指導者への支援事業をおこない、向上と人的交流の促進を図り、クラブ・サークルの健全育成を助長させるとともに、体操の発展に寄与する。

運営方式

行政機関、学術研究団体、スポーツ団体などと協力して、各支援事業をおこない目的を遂行させます。構成員は、会に登録する形式をとらず、各事業に参加された指導者を対象にネットワーク化する。あくまで個人の主体性を重視し、任意に基づいておこなっていきます。結びつく人は勿論のこと、結びつかない人も離れていく人も拒絶しないで、広く門戸を開放します。また、事業運営に携わる人たちは、ボランティア精神に基づいて実務を遂行できる人を条件に広く人材を求めていきたいと考えています。

支援事業

フェスティバル事業

―夢の実現に向けて―フェスティバル

フェスティバル・ゾーン構想

ジムナストラーダ  日本の方にはあまり聞きなれない言葉ですが、これは世界体操祭を指す言葉です。このイベントを体験すると、胸に何かしらの熱い思いが湧き、プラス思考でものが考えられるのではないでしょうか。 このジムナストラーダのようなイベントをヨコハマで開催する夢です。 固定の体育館だけでなく、屋外にも発表会場を設けます。そして、公園、グランド、空き地を利用して、大規模なフェスティバル・ゾーンをつくります。個人でも家族でもここに入っただけで、何か安心して楽しい気持ちになるような催し物を計画します。体操の発表だけでなく、スポーツの疑似体験コーナーを設けて、プロ野球やプロサッカー選手のボールを自分の体で実感できるようにします。また、スポーツ写真や絵画の展示、音楽のコンサート、大道芸などをおこないます。 この構想は、多少違いがありますが、現在、横浜のMM21で5月の連休におこなわれる「スポーツ・ウェーブ」に受け継がれています。

地域の中で生きるフェスティバル

市レベルから区レベルのフェスティバルの広がりです。ヨコハマの各地域には体操、太極拳、ダンス、エアロビクスなどの健康を求めて身体を動かしているたくさんのグループがあります。これらのグループをすべて市レベルのフェスティバルに受け入れるには時間的空間的にも限界があります。また、グループによっては自分たちの生活している場でやりたいという人たちもいます。体操フェスティバルはみんなのものです。それには、身近で親しめるイベントにするため、日常生活圏での開催、生活している近くの施設でおこなわれる必要があります。そこで、横浜の1区1館構想(行政区18ー市民人口340万人)でつくられたスポーツセンターが会場になれば、地域に密着したフェスティバルになることでしょう。 現在、10月10日にいくつかのスポーツセンターでは体操フェスティバル形式のイベントをおこなっています。

共通の目標に向かうフェスティバル

特定のテーマや伴奏曲を設定して、各グループが自由な発想で、作品をつくります。グループ毎の特色が出て、見ているものにとって興味深いものとなり、指導者自身も学ぶ場になるのではないでしょうか。

フェスティバルネットワーク

体操フェスティバルは全国の各地でおこなわれていますが、神奈川県でも横浜以外に横須賀市、川崎市、二宮市でおこなわれています。これらのフェスティバルがネットワーク化して、相互交流を図ります。そして、2年に1度、各都市持ち回りで開催会場となり、イベントを開催します。特定の地域で活動しているグループや全国的規模で活動しているグループが一堂に集まり、体操のパッチワークの一大イベントができればと思います。一極集中でなく多極分散共有の体操祭ができることで、体操の専門家が日本の体操の道標を提示できるのではないでしょうか。

リサーチ事業

動きの体験講習会

これは実技を主体とした学習事業です。指導する人は、とかく他者を指導することに専念し、自己の練習やトレーニングがどうしてもおろそかになりがちです。また、指導内容や指導方法も長年継続していると、マンネリ化に陥ります。そこで、これを解決するために、世界的に活躍しているさまざまな運動ジャンルの指導者を横浜に招聘したり、未経験の運動を体験したりする場をつくりました。 それが動きの体験講習会です。現在までに、下記のような講習会を開催しています。

開催指導者国名ジャンル期日場所
第1回ジョーゼ・メイヤーアメリカ
ジュリアード音楽学院
ジャズダンス1992.5横浜商科大学
第2回シャロッテ・マンクシュデンマーク
ギャロー体操学校
デンマーク体操1992.7横浜市中スポーツセンター
第3回アンジー・パンチアメリカ
AFAA
エアロビクス1992.11横浜市中スポーツセンター
第4回ペアー・スクリヴァーデンマーク
マセラースボ教育大学
デンマーク体操1993.7横浜商科大学
第5回ウリ・ダッツアードイツ
ケルンダンスセンター
ドイツ体操1994.3横浜商科大学
第6回ジョーゼ・メイヤーアメリカ
ジュリアード音楽学院
ジャズダンス1994.5横浜商科大学
第7回シャロッテ・マンクシュデンマーク
ギャロー体操学校
デンマーク体操1994.7横浜市中スポーツセンター
第8回アレクサ・ハーンドイツ
メダウ体操学校
エレメンタルダンス1995.7県立スポーツ会館
第9回シャロッテ・マンクシュデンマーク
ギャロー体操学校
デンマーク体操1996.7横浜商科大学

これからも優れた指導者や私たちに示唆を与えてくれる指導者をお招きしながら、テーマ毎の講習会もしたいと考えています。

インフォメーション事業

たいそう往来

指導者、イベント、サークル・クラブ、国内の体操動向などの情報を提供しながら、広報を推進する事業です。今までに年1回、第4号まで発行していますが、これからはこのWebから往来をします。 アカデミーからのメッセージだけでなく、指導者からの活動報告や主張も掲載し、相互の声を往来させたいと考えています。常に、指導者との接点を持ち続けられればと願っています。

コミュニケーション事業

フォーラム事業

これは、理論主体の学ぶ場としての事業です。指導者は、日々の活動のなかで理論に裏付けられた指導を必要とします。それは、他者を守るとともに、自分をも守ります。スポーツ科学は、日進月歩で進んでいます。そこで、新しい知見を得て、知的向上を図らねばなりません。さらに、体操は、動きの楽しさだけでなく、特定の思想を動きの表現を利用して相手に伝えるところがあります。体操の作品は、そうした深さを持っています。 そのため、自己の知識の獲得と思想の主張ができる場が必要です。それが、講演会、研究発表会、実践報告会、シンポジュウム、フォーラムの開催です。講演会(特別、教育、公開)、研究発表会、作品発表会の3つの柱で構成したいと考えています。 1995年3月に横浜商科大学でおこなわれた「スポーツ・フォーラム」が、この具体的な事業です。その後、横浜市に引き継がれて「スポーツウェーブ」という名称で、5月の連休におこなわれるようになりました。 この事業には神奈川県体育協会のスポーツ科学サポーツ委員会のメンバーに選出されている「横浜スポーツ科学研究会」の会員が支援体制をとれるようにしてあります。この研究会は、ジュニア国体選手の測定からフィードバック、乳酸からのトレーニング処方、メンタルトレーニング、指導者養成プログラム、マウスガード開発、エイズ教育など多面的な活動をしています。

コンサルタント事業

地域のスポーツ指導者は、多くの問題を抱えています。怪我や病気などの医事的なものからグループ運営上の法律や税務までさまざまな問題があります。指導者の中にも個人的に解決できる人もいれば、解決の術を持ってない人もいます。ちなみに、グループの人が怪我をした。その責任は誰が負うのか。体操の伴奏曲使用と音楽著作権との関係はどのようになっているのか。これらの問題を指導者がどこまで応えられるでしょうか。そこで、指導現場で対応に困る問題の相談ということで本事業を推進できればと考えています。これは、あたかもラジオ放送でおこなっている「子ども相談室」の指導者版と考えていただければ幸いです。この事業が展開できれば、現場の指導者は安心して、本来の仕事である指導に専念できるのではないでしょうか。 この事業には、「横浜スポーツ科学研究会」と「横浜スポーツマネージメント研究会」が支援体制をとってくれています。